サッカーでの膝痛、こんな症状に心当たりありませんか?
サッカーの練習や試合中、こんな膝の痛みに悩まされていませんか?
- ボールを蹴る瞬間に膝の内側がズキッと痛む
- ダッシュやストップ動作で膝の外側に違和感がある
- ジャンプの着地時に膝がガクッとなる不安感
- 練習後になると膝全体が重だるく腫れぼったい
- 膝のお皿周辺を押すと痛みが走る
こうした膝の痛みに対して、多くの方が「膝が痛いから膝をケアすればいい」と考えがちです。湿布を貼ったり、膝周りを揉んだり、アイシングをしたり――確かにその場の痛みは和らぐかもしれません。
しかし、痛みが再発を繰り返す、あるいは完全には良くならないという経験はありませんか?それは、【痛む部位は結果であり、本当の原因は身体の別の場所にある】可能性が高いからです。
サッカーでの膝痛の根本原因を理解し、適切にアプローチするためには、ジョイント・バイ・ジョイント理論という考え方が非常に役立ちます。次のセクションで詳しく解説していきましょう。
ジョイント・バイ・ジョイント理論とは?膝痛の本当の原因

関節には「動くべき関節」と「安定すべき関節」がある
ジョイント・バイ・ジョイント理論(Joint by Joint Theory)とは、アメリカの理学療法士Gray Cook氏とストレングスコーチMike Boyle氏が提唱した、身体の関節を「可動性(モビリティ)を重視すべき関節」と「安定性(スタビリティ)を重視すべき関節」に分類する考え方です。
ジョイント・バイ・ジョイント理論の関節分類
- 足関節(足首):可動性重視
- 膝関節:安定性重視
- 股関節:可動性重視
- 腰椎(腰):安定性重視
- 胸椎(背中):可動性重視
- 肩甲胸郭関節:安定性重視
- 肩関節:可動性重視
この理論で重要なのは、「可動性が必要な関節が硬くなると、その上下の安定性が必要な関節が代わりに過剰に動いてしまう(代償動作)」という点です。
サッカー膝痛の根本原因:股関節と胸椎の可動性低下
膝関節は本来、安定性を重視すべき関節です。つまり、膝は前後方向への曲げ伸ばしは得意ですが、捻る動きや左右へのブレには弱い構造になっています。
ところが、サッカーでは以下のような状況が起こりがちです:
サッカー膝痛が起こる運動連鎖のメカニズム
- 胸椎(背中の中央部分の背骨)の可動性低下
→ 猫背姿勢や体幹の回旋(ひねり)動作が硬くなる - 股関節の可動性低下
→ デスクワークや座りっぱなしで股関節屈曲筋群(太もも前側の筋肉)が短縮 - 膝関節への代償動作
→ 股関節で吸収すべき衝撃や回旋動作を、本来安定すべき膝が無理に担う - 膝への過負荷の蓄積
→ 靭帯・半月板・膝蓋腱などに繰り返しストレスがかかり、痛みが発生
具体的には、以下のような連鎖が起こります:
- 胸椎が硬い → 体幹の回旋が不足 → キック動作やターン時に膝が内側に入る(ニーイン)→ 膝の内側靭帯や半月板に負担
- 股関節が硬い → しゃがむ・着地動作で股関節が十分に曲がらない → 膝が前に出すぎる → 膝蓋腱や大腿四頭筋腱に過剰な張力
- 足関節(足首)が硬い → 着地の衝撃吸収ができない → 膝が衝撃を受け止める → 膝関節全体への負担増
つまり、サッカーでの膝痛の原因は「膝そのもの」ではなく、その上下の関節(股関節・胸椎・足関節)の可動性不足にあることが非常に多いのです。
このメカニズムは、ランニングでの膝痛にも共通しています。詳しくはランナー膝の痛みの原因は「膝」じゃない!運動連鎖から見た根本改善法の記事もご参照ください。
「痛い場所を揉む」vs「原因部位にアプローチする」―どちらが根本解決?

痛い場所(膝)を揉む・冷やすだけでは解決しない理由
膝が痛いとき、多くの方が以下のような対処をします:
- 膝周辺のマッサージ
- 湿布やアイシング
- サポーターで固定
- 痛み止めの服用
これらは「対症療法」と呼ばれ、痛みの【結果】に対してアプローチする方法です。一時的に痛みを和らげる効果はありますが、根本的な原因(股関節・胸椎の可動性低下)は何も変わっていません。
対症療法の限界
- その場しのぎで痛みが再発しやすい
- 膝をかばうことで他の部位(腰・足首など)にも負担が広がる
- 根本原因が改善されないため、練習復帰後にまた痛む
- サポーターに頼り続けることで膝周辺の筋力が低下する
原因部位(股関節・胸椎)にアプローチする重要性
一方、「根本療法」では、痛みの【原因】である股関節や胸椎の可動性を改善することを優先します。
根本療法のメリット
- 膝への過度な負担が減り、痛みが出にくい身体になる
- 再発リスクが大幅に低下する
- パフォーマンス向上(キックやターンの質が上がる)
- 全身のバランスが整い、他の怪我の予防にもつながる
ジョイント・バイ・ジョイント理論に基づいた根本療法では、以下の順序でアプローチします:
- 可動性が必要な関節(股関節・胸椎・足関節)の柔軟性を取り戻す
- 安定性が必要な関節(膝・腰椎)を支える筋力を強化する
- 正しい動作パターンを身体に記憶させる
この順序を守ることで、膝に無理な負担をかけずに動ける身体を取り戻すことができます。
自宅でできる!サッカー膝痛を根本から改善するエクササイズ

ここからは、ジョイント・バイ・ジョイント理論に基づき、股関節・胸椎の可動性を高め、膝への負担を減らすエクササイズを【基礎・中級・応用】の3レベルでご紹介します。
【基礎】股関節屈筋群のストレッチ(腸腰筋リリース)
目的:座りっぱなしで硬くなった股関節前側(腸腰筋)をほぐし、骨盤の動きを取り戻す
開始姿勢:
- 片膝立ちの姿勢(ランジポジション)をとる
- 前脚は膝が90度、後ろ脚は膝を床につける
- 骨盤を立てて、腰が反らないように注意
動作手順:
- 息を吐きながら、骨盤を前方にゆっくりスライドさせる
- 後ろ脚の股関節前側(鼠径部付近)が伸びる感覚を意識する
- その姿勢で深呼吸を3回(約20秒キープ)
- 息を吸いながらゆっくり元の位置に戻る
- 左右それぞれ3セット繰り返す
注意点:
- 腰を反らせてしまうとストレッチ効果が半減するので、常に骨盤を立てる意識を
- 膝に痛みが出る場合は、膝の下にクッションを敷く
- 呼吸を止めず、リラックスして行う
【中級】胸椎回旋モビリティドリル(四つ這い)
目的:猫背で硬くなった胸椎(背中の中央部)の回旋動作を改善し、体幹のひねりをスムーズにする
開始姿勢:
- 四つ這いの姿勢(手は肩の真下、膝は腰の真下)
- 右手を頭の後ろに添える(左手は床についたまま)
- 腰が動かないよう、骨盤を安定させる
動作手順:
- 息を吸いながら、右肘を床に向かって下げる(胸椎を軽く丸める)
- 息を吐きながら、右肘を天井に向かって大きく開く(胸椎を回旋させる)
- 目線は右肘を追いかけるように、顔も一緒に回す
- この動作を片側10回、ゆっくりとしたリズムで行う
- 反対側も同様に10回×2セット
注意点:
- 腰や骨盤が一緒に回らないよう、動きは胸椎(肋骨周辺)のみで行う
- 肘を開く際、肩がすくまないように注意
- 呼吸に合わせてリズミカルに行う
【中級】フォームローラーで腸脛靭帯&外側広筋リリース
目的:膝の外側の痛み(腸脛靭帯炎など)の原因となる太もも外側の張りをほぐす
開始姿勢:
- フォームローラーを床に置き、横向きに寝る
- 太ももの外側(腸脛靭帯)をローラーに乗せる
- 下の肘で体を支え、反対側の脚は床につけてバランスをとる
動作手順:
- 体重をフォームローラーに乗せ、膝から股関節に向かってゆっくり転がす
- 特に痛みを感じる箇所(トリガーポイント)で10秒間静止
- 深呼吸をしながら、筋肉の緊張が和らぐのを待つ
- 片側1分程度、左右それぞれ行う
注意点:
- 痛みが強すぎる場合は体重のかけ方を調整する
- 膝の真横(関節部分)は避け、筋肉部分のみをほぐす
- 呼吸を止めず、リラックスして行う
【応用】シングルレッグデッドリフト(股関節ヒンジ動作の強化)
目的:股関節の正しい使い方を身体に記憶させ、膝への負担を減らす動作パターンを習得する
開始姿勢:
- 片脚立ちになり、反対側の脚は軽く後ろに引く
- 両手は腰に当てる(慣れてきたらダンベルを持つ)
- 背筋を伸ばし、骨盤を立てる
動作手順:
- 息を吸いながら、股関節を支点に上体を前傾させる(膝は軽く曲げる程度)
- 後ろ脚は体と一直線になるよう後方へ伸ばす
- お尻とハムストリングス(もも裏)に力が入るのを感じる
- 息を吐きながら、股関節を伸ばして元の姿勢に戻る
- 片側10回×3セット、左右行う
注意点:
- 動きの支点は股関節であり、膝や腰ではない
- 膝が内側に入らないよう、つま先と膝の向きを揃える
- バランスが取れない場合は、壁や椅子に軽く手を添える
- 腰が丸まらないよう、常に背筋を伸ばす意識を持つ
【応用】体幹安定性トレーニング(プランク&ニータック)
目的:腰椎の安定性を高め、膝への過度な負担を防ぐ
開始姿勢:
- 肘をついたプランクの姿勢(前腕とつま先で体を支える)
- 頭から踵まで一直線を保つ
- お腹を軽く凹ませ、体幹を安定させる
動作手順:
- プランク姿勢を30秒キープ(呼吸は止めない)
- 余裕があれば、片膝をゆっくり胸に引き寄せる(ニータック)
- 膝を戻し、反対側も同様に行う
- 左右交互に10回×2セット
注意点:
- 腰が反ったり、お尻が上がったりしないよう注意
- 肩がすくまないよう、肩甲骨を安定させる
- 呼吸を続け、力みすぎない
これらのエクササイズを組み合わせることで、膝への負担を根本から軽減し、サッカーでのパフォーマンスを向上させることができます。
高崎スポーツ整骨院rapportmentの根本改善アプローチ

ここまでご紹介したセルフケアは、膝痛予防や軽度の症状改善には非常に有効です。しかし、すでに痛みが強い、動作時に不安がある、自己流では改善しないという場合は、専門家による評価と施術が必要です。
当院では、ジョイント・バイ・ジョイント理論と運動連鎖の考え方をベースに、2段階のアプローチで膝痛を根本から改善します。
Stage 1:徒手療法で「動けない原因」を取り除く
まず、筋膜リリース・関節モビリゼーションといった徒手療法で、硬くなった股関節や胸椎の可動性を取り戻します。
徒手療法の具体例
- 腸腰筋の筋膜リリース:股関節前側の深い筋肉を直接ほぐし、骨盤の動きを改善
- 胸椎モビリゼーション:背骨一つひとつの動きを引き出し、体幹回旋の可動域を拡大
- 足関節の関節調整:足首の硬さを改善し、着地時の衝撃吸収能力を高める
- 大腿筋膜張筋・腸脛靭帯のリリース:膝外側の張りを根本からほぐす
これらの施術により、「動けない・動かない」状態から「動ける」状態へと身体を変化させます。
Stage 2:マシンピラティス・ファンクショナルトレーニングで「正しい動き」を記憶させる
可動性が回復したら、次は正しい動作パターンを身体に定着させる段階です。当院では、マシンピラティスやファンクショナルトレーニングを用いて、以下のような指導を行います。
トレーニングの具体例
- リフォーマーを使った股関節ヒンジ動作の習得:マシンのサポートで正しいフォームを体感
- 体幹安定化エクササイズ:腰椎の安定性を高め、膝への過負荷を防ぐ
- 片脚バランストレーニング:着地動作やターン時の膝のブレを減らす
- 動的ストレッチとプライオメトリクス:実際のサッカー動作に近い形で身体を動かし、競技復帰をスムーズに
このように、「施術で動ける身体を作る」→「トレーニングで正しい動きを覚える」という2段階のプロセスを経ることで、単なる痛みの一時的な緩和ではなく、再発しない根本改善を目指します。
肩こりや腰痛など、他の不調も同様に運動連鎖の視点でアプローチしています。詳しくは肩こり原因はデスクワークの姿勢だけじゃない!運動連鎖から紐解く根本改善法もご覧ください。
自己流との違い:専門家が介入する意味
セルフケアでは気づきにくい、以下のような点を専門家は評価・修正します:
- 可動性の左右差:自分では気づかない身体の歪みやアンバランスを発見
- 代償動作のクセ:無意識に行っている間違った動きを修正
- 筋力バランスの評価:弱い部分を特定し、効率的に強化
- 競技復帰のタイミング:焦って練習再開すると再発リスクが高まるため、適切な時期を見極める
また、当院はスポーツ外傷・交通事故後の治療にも対応しており、急性期の適切な処置から競技復帰までをトータルサポートします。
まとめ:サッカー膝痛は「膝」だけ見ても解決しない

サッカーでの膝痛に悩んでいる方へ、この記事の要点をまとめます。
この記事のポイント
- ジョイント・バイ・ジョイント理論:膝は「安定性」が必要な関節。その上下(股関節・胸椎・足関節)の「可動性」が低下すると、膝が代償して痛みが出る
- 痛む場所を揉むだけでは不十分:対症療法は一時しのぎ。根本原因(股関節・胸椎の硬さ)を改善しなければ再発する
- セルフケアのポイント:股関節屈筋群のストレッチ、胸椎回旋ドリル、体幹安定化トレーニングを組み合わせる
- 当院の2段階アプローチ:徒手療法で可動性を取り戻し、マシンピラティス・ファンクショナルトレーニングで正しい動きを定着させる
サッカーでの膝痛は、「膝」だけを見ていても根本解決にはなりません。痛みの本当の原因は、身体全体の運動連鎖の中にあります。
当院では、整形外科での豊富な臨床経験を持つ院長・小見先生が、解剖学・運動生理学・バイオメカニクスのエビデンスに基づいた施術とトレーニング指導を行います。スポーツ外傷や交通事故後の治療にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
あなたの膝痛を根本から改善し、全力でサッカーを楽しめる身体を取り戻しましょう。
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